栄養素の代謝入門

ブドウ糖と脂肪酸

糖質とならんで、エネルギー源として不可欠な栄養素に、「脂質」があります。

 

ブドウ糖と脂肪酸では、分子構造に大きな違いがあり、
その違いがエネルギー源としての性質に深くかかわっています。

 

ブドウ糖は、Cと同数のOを有し、脂肪酸は、Oを殆ど持たず、
C・Hの鎖が長くなった構造をしています。

 

これらがいずれ燃焼することを考えると、
脂肪酸にはブドウ糖よりもはるかに燃料が凝縮されて詰まっていることがわかります。

 

燃料の塊を燃やし尽くすためには、O2が十分に用意する必要があります。
ブドウ糖のように、嫌気的な条件下で一時的に燃やすという用途には不向きで、
脂肪酸は水に溶けにくいのもHが多くOが少ない構造に起因しています。

 

脂肪酸にはこのような性質があるので、体内で運搬したり吸収したりするときには
常に困難が伴います。
しかし、それでもなお、生体は様々な工夫をし、
効率のよいエネルギー源を有効利用しているのです。

β酸化

脂肪酸のがない鎖は一度に酸化されるのではありません。
まず、「β酸化」と呼ばれる反応をし、手頃な断片に切断される過程を踏みます。
β酸化によって、一度につき2個のCが切り出され、
できる物質はブドウ糖代謝の第二段階で登場したアセチルCoAと同じもので、
それ以降は、ブドウ糖と共通の代謝経路であるTCA回路に合流します。

 

脂肪酸の炭素鎖の長さも様々で、Cが偶数個のものもありますし、奇数個のこものもあります。
奇数個の鎖に対し、β酸化を繰り返して最後に3炭素の鎖が残っても、
べつの経路をとってTCA回路に合流することができるようになっています。