栄養素の代謝入門

嫌気的代謝と好気的代謝

ブドウ糖の異化を振り返ってみると、各段階でH原子が預けられ、酸化を持つことになっています。
これは、最後の電子伝達系において潤沢にO2が存在することが前提です。
激しい運動によって骨格筋が一時的に多量のATPを必要としている時は、
需要に見合うO2の供給が追いつかず、せっかくHを預けてもそれを有効利用することができません。

 

ですが、ブドウ糖の代謝経路には、短時間であればO2に頼らず
ATPを産生するルートがあります。
この代謝方法を「嫌気的代謝」といい、O2無しには反応の進まない「好気的代謝」と区別します。

 

最も有名な嫌気的代謝の経路は、
(1) C6H12O6 → 2C3H4O3 + 4H の反応と深くかかわっています。
この過程では、ATPを産生しますが、そのためにはHをいったん預けることが必須です。

 

ですが、O2不足では後が続かない上に、受けzとなる物質がHを保持したままでは、
(1) C6H12O6 → 2C3H4O3 + 4H の反応そのものが停滞します。

 

そこで、ビルビン酸は、一度手放したHを再び取り返し、
(1) C6H12O6 → 2C3H4O3 + 4H の反応を繰り返し起こさせることによってATPを稼ごうとします。

 

(5) C3H4O3 + 2H → C3H6O3

 

このようにしてできる物質C3H6O3が、よく知られた乳酸です。

 

(1) C6H12O6 → 2C3H4O3 + 4H と (5) C3H4O3 + 2H → C3H6O3 ×2 をつなぐと、

 

C6H12O6 → 2C3H6O3 

 

という単純な反応式になります。

 

乳酸はブドウ糖を真っ二つに分割したような原子組成をしていて、
乳酸は、ブドウ糖が少しばかり科学エネルギーの坂を下りすぎ、
ビルビン酸にまで変化してしまったものを、少しだけ引き換えした場所にある代謝物と考えます。

 

* 代表的な嫌気的代謝の経路では、ブドウ糖はビルビン酸を経て乳酸に変化します。